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森喜朗 元総理の発言での事実と異なる点について

森喜朗 元総理の発言が話題になっていますが、ここでは政治的な自分の見解を書くつもりはありません。ただ、フィギュアスケートファンから見ていくつか事実と異なる点があると思ったので、その点だけ指摘させて頂きます。

森 元総理の発言全文はこちらを参考にしました(以下の引用部分もすべてこちらから)。

「リード姉弟にオリンピックに出る力量がなかった」「帰化させた」は間違い

あのご兄弟は、アメリカに住んでおられるんだと思います確か。ハーフ。お母さんが日本人で、お父さんがアメリカ人なのかな。そのご兄弟がやっておられるから、まだオリンピックに出るだけの力量ではなかったんだということですが、日本にはいないもんですから、あの方を日本に帰化させて日本の選手団で出して、点数が全然とれなかった。

この 2点は明らかに間違いで、謝罪と訂正をお願いしたいレベルです。
オリンピックには出場枠というものがあります。誰でも出られるわけではありません。フィギュアスケートの場合、前年度の世界選手権での順位によってカテゴリー*1ごとの出場枠が決まります。男女シングルが強いからといって、アイスダンスも自動的に出場できるわけがありません。
順位が下位の場合は世界選手権で出場枠を確保することはできませんが、世界選手権で決まらなかった枠を配分する予選の試合で上位に入れば、出場枠を得ることができます。もちろん、それもカテゴリー別です。リード姉弟バンクーバー五輪ソチ五輪に出場していますが、どちらも二人で出場枠を勝ちとってきたものです。決して「力量がない」ということはありません。
また、リード姉弟は確かにハーフですし生まれも育ちもアメリカで、現在の拠点もアメリカです。ですが、産まれた時から日本国籍を持っており(いわゆる二重国籍)、「帰化した」という事実はありません。

団体戦3位狙いで浅田選手を出した」は森氏の想像に過ぎない

あともう皆ダメで、せめて浅田さんが出れば3回転半をすると、3回転半をする女性がいないというので、彼女が出て3回転半をすると、ひょっとすると3位になれるかもしれないという淡い気持ちでね。浅田さんを出したんですが。

すごいですね。ここだけ読むと、他の選手の成績が振るわなかったからその場で「浅田行け!」とでも出したように読めてしまいます。野球の代打かなにかと勘違いされているのでは。
団体戦にどの選手をエントリーするかは前日までに公表されていますし、そもそも日本の場合は日本スケート連盟から「2013-2014シーズン 国際競技会派遣選手選考基準」で団体戦のそれも公表されていました(現在は選考基準から該当部分が削除されています)。私は削除前に該当箇所を読んでいましたので、その基準では団体戦の女子SPは浅田選手になると確認していました。
その後、選考基準からは削除されたので別の選手が団体戦にエントリーされる可能性もあったのでしょうが、結果的にはそのとき自分が確認したとおりにエントリーされました。もちろん、私は日本スケート連盟とは何の関係もありませんので真意はわかりませんが、「3位狙いで浅田選手を出した」という可能性はほぼないと考えます。

*1:男子シングル/女子シングル/ペア/アイスダンスの各種目のこと